第四十七章
「ここに住んでいるのか?」
桐谷憂の声には、明らかな戸惑いがあった。
「ええ。ここも悪くないですよ。家賃も光熱費もかかりませんし、雨風をしのげれば十分です」
空見灯は笑顔で頷き、「それでは、おやすみなさい」と告げた。
彼女がドアを開けようとすると、桐谷憂が片手で扉を押さえ、それを遮った。
「桐谷社長?」
空見灯は不思議そうに彼を見上げた。
桐谷憂は何も答えず、ただ室内を見回した。
狭い。自分のバスルームよりも狭く、その上、黴臭い湿気が満ちている。
窓の半分は洗濯機に塞がれ、昼間でも陽の光など望めそうにない。これでは人が住む場所とは言えない。
隅に置かれたスーツケースを目に...
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