第七章

桜羽雪音の控室に入った瞬間、スマホが空見灯の顔めがけて飛んできた。

彼女は素早く身をかわす。スマホは背後の壁に激突し、無惨に砕け散った。

「なんで私を降ろすわけ? あいつら頭おかしいんじゃないの?」

「二年連続で最優秀主演女優賞にノミネートされた私がふさわしくないなら、誰がふさわしいって言うのよ?」

「花散の女は媚びを売る以外に何ができるの? 私より上がいるとでも?」

桜羽雪音の怒号が響き渡り、ドアの前に立つ数人のアシスタントは誰も中に入ろうとしない。

空見灯は雪原澪を見た。「どういうこと?」

「雪音さんが狙っていたCMを、花散椿に奪われたんです」雪原澪は中の人に聞こえないよう...

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