第6章

 それからの二ヶ月間は、私の人生で最も幸せな時間だった。

 海斗の告白はすべてを変えた。けれど、同時に何も変わらなかった。

 私たちは相変わらずそれぞれ危険な仕事に追われ、依然としてこの死と絶望に満ちた場所を行き来していた。

 違ったのは、苦難を記録するためにシャッターを切るたび、心の中に温かい炎が燃えているのを感じることだった。

「里奈、北の村でまた衝突があった」

 海斗は医療テントの中で子供の傷に包帯を巻きながら、顔も上げずに私に言った。

「取材に行くなら、防弾ベストを忘れるなよ」

「わかってる」

 私はカメラのレンズを調整しながら答える。

「あなたの医療チームはいつ出...

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