第2章
翌朝、目が覚めたとき、私はまだエイドリアンが置いていったシルクのパジャマを身に着けていた。その生地は肌に吸い付くようで、彼が私のサイズを完璧に把握していたのではないかという疑念が拭えなかった。彼はそこまで詳細に、私の体を見ていたのだろうか?
その考えに、胃のあたりが落ち着かないざわめきを覚えた。あまり深く検証したくない種類の感情だった。
部屋を出る前から、廊下にヴィンセントの声が響き渡った。「アイリス! おはよう、朝食においで」
おいで。その言葉を聞いただけで、喉の奥まで酸っぱいものがこみ上げてくる。
ダイニングルームに行くと、彼はテーブルに新聞を広げていた。朝の光の中で見る彼は、いっそう老け込み、まるで骸骨のように見えた。彼は自分の隣の椅子をポンポンと叩いた。
「私の隣へ」
私は椅子が許す限り彼との距離を取って座った。だが、それだけでは不十分だった。
彼の手はすぐに私の太ももを捉え、ドレスの上から円を描くように指を這わせた。「よく眠れたかね?」
「はい」私の声は絞り出したように掠れていた。
「それはよかった」彼の手の力が強まる。「結婚式の準備には体力が要るからね」
その時、ドアが開いた。エイドリアンがモーニングコーヒーを手に持って入ってくる。パリッとした白シャツにベスト、光を反射する縁なし眼鏡――まるでビジネス誌から抜け出してきたような完璧な身なりだった。彼は私たちの方を一瞥もせず、窓際へと移動した。
ヴィンセントの手が、太もものさらに上へと滑る。
パキッ、という乾いた音がした。
エイドリアンのコーヒーカップだ。黒い液体がカーペットに滴り落ちていくが、彼は拭こうともしなかった。ただ背筋を硬直させたまま、虚空を見つめて立ち尽くしている。
「エイドリアン」私の体に触れたまま、ヴィンセントが声をかけた。「新しい母さんの体つきはどうだ? なかなかいいものだろう?」
屈辱で顔が焼けるように熱くなった。エイドリアンの肩が強張るのが見えた。
「存じません」割れたカップを置き、彼は平坦な声で言った。「仕事がありますので」
彼は振り返りもせずに部屋を出て行った。
ヴィンセントは喉の奥で暗く、満足げに笑った。「あの子もそのうち、お前に懐くだろうよ」
それが日常になった。毎日、ヴィンセントは私を呼びつけて隣に座らせる。毎日、彼の手が私の体を撫で回す。そして毎日、エイドリアンは無関心を装って近くにおり、部屋の中の何かが壊れるのだ。
グラス。本の背表紙。ドアノブ。
彼はヴィンセントを壊す代わりに、物を壊している。私はそれに感謝すべきか、恐怖すべきか分からなかった。
夕食の時間は最悪だった。
ヴィンセントは長いダイニングテーブルで、私を必ず隣に座らせた。エイドリアンは向かいの席で、外科手術のような精密さでステーキを切っている。私は自分の皿に集中しようと努めたが、ヴィンセントの手はまたしてもテーブルの下にあり、スカート越しに私の太ももを執拗に揉んでいた。
体が強張り、フォークを口に運ぶ手が空中で止まる。
ようやく顔を上げると、エイドリアンと目が合った。
彼は見ていた。私ではなく――ヴィンセントの手を。彼の顎は強く噛み締められ、皮膚の下で筋肉が脈打っているのが見えた。
私は体をよじって逃れようとした。ヴィンセントの指がさらに激しく食い込む。「じっとしていなさい、アイリス」
エイドリアンは、慎重な手つきでカトラリーを置いた。
「ご馳走様でした」
ヴィンセントがにやりと笑う。「もうか? 新しい母さんを見ていると食欲が失せるか?」
エイドリアンは立ち上がり、丁寧な仕草で袖口を整えた。彼が口を開いたとき、その声は冷たく、しかし滑らかだった。「ええ。今夜の父さんの『テーブルマナー』は、とりわけ食欲をそそりますからね」
ほんの一瞬だけ、彼の視線が私を捉えた。その眼差しに込められた何かが、私の背筋に熱いものを走らせた。
そして、彼は去っていった。
眠れなかった。まただ。
悪夢はいつも同じ――ヴィンセントの手、鍵のかかった寝室のドア、そして今回は誰も助けに来ない絶望。私は息を弾ませて目覚めた。汗ばんだシーツが足に絡みついていた。
水が必要だった。空気でもいい。何でもいいから、とにかく何かを。
一階に忍び降りると、家の中は暗闇に包まれていたが、書斎の扉の下から光が漏れているのが見えた。そのまま通り過ぎるべきだったのだ。まっすぐキッチンへ向かうべきだった。
けれど、私は足を止めた。耳を澄ます。
何も聞こえない。ただの静寂だ。
私は扉を押し開けた。
エイドリアンは革張りのソファに体を投げ出し、こめかみを揉んでいた。眼鏡はサイドテーブルに放り出されている。目の前には半分ほど空になったウイスキーのボトルが置かれていた。
「眠れないのか?」彼は顔を上げずに言った。
「私……」どうして私がいると分かったのだろう。「いいえ」
「入りなよ」彼は曖昧に手を振った。「ドアの向こうでこそこそしてないでさ」
私は部屋に入り、背後でドアを閉めた。彼は琥珀色の液体をグラスに注ぎ、コーヒーテーブル越しに滑らせてよこした。
「飲みなさい。少しは楽になる」
私はそれを手に取り、少しだけ口に含んだ。ウイスキーが喉を焼き、思わず咳き込んでしまう。
エイドリアンがようやく私を見た。眼鏡を外したその瞳は、いつもより暗く沈んで見えた。そして、どこか焦点が定まっていない。
「俺が今夜、何を考えていたか知りたいか?」
心臓が早鐘を打ち始めた。「何を?」
「あの手を切り落としてやろうかと考えていたんだ」世間話でもするかのような、ひどく軽い口調だった。「君に触れていた、あの手を」
指先からグラスが滑り落ちそうになる。
「だが」彼は自嘲気味な笑みを浮かべて続けた。「あれは俺の父親の手だからな」
「エイドリアン……」
「やめろ」彼はきつく目を閉じた。「そんな風に俺の名を呼ぶな」
「そんな風って?」
「まるで恋人を呼ぶような声だ」彼は目を開けた。そこには何か、剥き出しの感情が宿っていた。「君は俺の継母なんだぞ、アイリス」
彼が私の名を呼んだのは、これが初めてだった。それは間違いのようでいて、同時に正解のようにも響いた。
「まだ彼と結婚したわけじゃないわ」衝動的に、言葉が口をついて出た。
エイドリアンの動きが止まった。やがて彼は立ち上がり、大股で歩いて私のところまで来た。私を見下ろす彼との距離は近く、シダーウッドとウイスキーの香りが漂ってくる。
「何が言いたいの?」声のトーンが落ち、荒々しく危険な響きを帯びる。
「そんなつもりじゃ――私はただ――」
彼の手が伸び、指先が私の頬をなぞる。親指が下唇を掠めた。「嘘つきめ」
呼吸ができない。
「君は俺を誘惑しようとしている」彼は低く囁き、身を乗り出した。その吐息が私の顔にかかる。「自分の継息子を、誘惑しようというのか」
「違うわ!」
「なら、なぜ」指が私の顎を掴み、顔を上向かせる。「そんな格好でここに来た?」
私は自分の体を見下ろした。薄手のナイトガウンは、ランプの光の下では想像力を働かせる余地もないほど透けていた。
恥ずかしさで顔が爆発しそうになる。
エイドリアンは私から離れ、素早く後ずさりした。彼は眼鏡を手に取ると、まるで鎧を身に着けるかのようにそれをかけ直した。再び私を見たとき、そこにいたのは婚約パーティーで見せたあの冷静で、誰も寄せ付けない男だった。
「部屋に戻りなさい、アイリス」
「でも――」
「行け」彼は背を向けた。「俺が紳士でいられなくなる前に」
私は逃げるように部屋を出た。
翌朝の朝食時、ヴィンセントは珍しく上機嫌で、まさに輝いて見えた。エイドリアンは遅れて現れたが、一睡もしていないような顔色だった。
「素晴らしい知らせがある」ヴィンセントはそう宣言し、私の手を握った。「予定を早めたよ。結婚式は一週間後だ」
コーヒーカップが受け皿の上でガチャリと音を立てた。
テーブルの向かいでは、フォークを握るエイドリアンの指関節が白く浮き上がっている。
一週間。私がヴィンセント・ルッソの妻になるまで、あと七日。
エイドリアンの永遠の継母になるまで、あと七日。
ヴィンセントが私の手の甲にキスをした。肌に触れたその唇は乾燥していた。「もうこれ以上は待てないよ。早くお前を私のものにしたいんだ、アイリス」
私はエイドリアンを見ることができなかった。彼の瞳に宿る無関心を見るのが耐えられなかったからだ。
けれど、彼の熱い視線が私を焼き尽くそうとしているのを感じていた。
あと、一週間。
