第5章

 「まあ……」と私は息をのんだ。

 「ここには光害がないからね」と陽介が穏やかに言った。「晴れた夜は、何もかも見えるんだ」

 星空がどこまでも広がっていて、あまりに明るく、数も多いものだから、まるで偽物みたいだった。東都では、街の明かりのせいで、数えるほどの星が見えれば幸運な方だった。これはまるで、まったく違う宇宙を見上げているかのようだ。

 「あれが北斗七星」と陽介が指さした。「そしてあっちがオリオン座」

 「どうしてそんなに詳しいの?」

 「小さい頃、祖父が教えてくれたんだ。こんな夜になると、よくここに連れ出してくれて、星座にまつわる物語を聞かせてくれた」

 彼の声にはどこか...

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