第6章

「平世圭と中崎立希って、本当に付き合ってるのかな?」

千崎初華の突然の問いかけに、私は危うくお茶を噴き出しそうになった。

私たちは休憩室にいた。週末の午後の陽光が窓から差し込み、床に柔らかな光の斑点を描いている。初華は指を素早く滑らせてスマホの画面をスクロールし、最新の芸能ニュースを眺めていた。

「ファンは中崎立希のこと、いわゆる『平世君の彼女』ってのが気に入らないみたい。功利的な感じが強すぎるって」

初華は眉をひそめて言う。

「応援スレでは、みんな彼女が平世君を利用して売名してるだけだって叩いてる」

私は俯いてカップの中のお茶をかき混ぜる。

ここ数日、平世圭と中崎立...

ログインして続きを読む