第5章

 貴也は部屋に戻り、スマホを開いた。

『山本婆ちゃん:あの若い人は本当に責任感が強くて、ガス管の点検をしてくれました』

 貴也の呼吸が一瞬、止まった。

 山本婆ちゃんは普段、ボイスメッセージか、せいぜいスタンプを送ってくる程度だ。こんな堅苦しい文字を打つことなんてありえない。

 彼はさらに画面をスクロールした。

『田中おじさん:村役場のサービスは至れり尽くせりだ。うちも点検してもらったよ』

『佐藤婆ちゃん:礼儀正しい若者で、安全マニュアルをくれました』

 貴也の手が震えだす。

 田中おじさんの口癖は「へへっ」だし、佐藤婆ちゃんは感嘆符を多用するのが好きだ——これらのメッセージ...

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