第15章：話し合いましょう

上田景川は慎重に数歩近づき、しゃがみ込んで無力に尋ねた。「誰がそんなことを言ったんだ？月野里奈か？」

「違う、自分で考えたの」

咲良は小さな声で言った。「咲良が物心ついた頃、毎晩目が覚めるとママが泣いているのを見た。そしてママは悪夢を見るたびに泣いていた」

「今、私も帰ってきてママと同じように泣いている。咲良は辛いのに、パパは咲良を信じてくれない。じゃあ、ママもたくさん辛い思いをしていたから、ずっと泣いていたの？」

上田景川の心臓は何かに強く打たれたように痛み始めた。

彼の声も静かになり、まるで何かを驚かせないように。「彼女…ママは、よく泣いて、悪夢を見るのか？」

「うん」

「...