第17章:妻の好み

「どうしてダメなの?」月野里奈は問い返した。

「咲良に対する私の気持ち、君も見てきたはずだ。別荘の使用人に監視させて、私が咲良に何かするんじゃないかと心配しているんだろう」

「でも、私はそんな子供に手を出すような人間じゃない。咲良を傷つけるなんてできない」

上田景川は目を細めた。「優奈は咲良が彼女の姉の子供だとは知らない」

彼女は月島里奈の妹で、月島里奈よりも弱くて可哀想な存在だった。

かつて月島里奈は彼女の守護神だった。しかし、月島里奈が去り、月島優奈を自分に託した。自分がどれだけ嫌でも、月島優奈を守らなければならなかった。

その後、月島優奈は芸能界というところに入っていった。...

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