第21章:上薬

月野里奈は咲良のベッドのそばに座り、心配そうに娘を見つめていた。

咲良は以前から体が弱く、病院の常連だった。ある年の深夜、小さな体が熱を出し、虚弱にベッドに横たわっていた。月野里奈はその姿を見て、自分の呼吸が重すぎて彼女の息を吹き飛ばしてしまうのではないかと感じた。

最近の二年間は少し良くなったものの、それでも病気にかかりやすかった。咲良が病気になるたびに、月野里奈はすべての仕事を放り出し、咲良が目を覚ますまでずっとそばにいた。

実際、月野里奈は後悔していないわけではなかった。なぜ咲良を上田景川のもとに送らなければならなかったのかと。

今振り返ってみると、拓也の言うことには一理あった...

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