第51章

月島優奈は興奮した様子で箱を上田おばあさんに渡した。「おばあさま、ご覧ください。これはY先生が自ら手がけたデザインで、おばあさまの首にかけていらっしゃるネックレスと同じシリーズなんです……」

「見てください、素敵でしょう!?」

「ええ、とても美しいわね」

おばあさんはそのネックレスを手に取り、大切そうに眺めていた。

ふと、彼女の耳に昨日あのメイドが言った言葉が蘇ってきた。

「そのお首のニセモノのネックレス、二千万ほどの価値もないのでは?」

おばあさんは眉をひそめ、少し気分が悪くなって月島優奈をちらりと見た。「優奈、このネックレス……偽物じゃないわよね?」

Y先生はここ数年で海外...

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