第57章

「曾お婆ちゃん!」

咲良は唇を噛み、小さな手で月野里奈の指を握りしめた。「何度も言ったでしょ、咲良はおばさんに面倒を見てもらいたいの!」

「曾お婆ちゃんがそんなこと言うなら、咲良はもう曾お婆ちゃんのこと好きじゃなくなっちゃうよ!」

上田おばあさんはようやく顔の冷たさを和らげ、無理やり咲良に向かって笑顔を作った。「咲良、曾お婆ちゃんが言ったでしょう、咲良は家政婦になんてそんなに頼っちゃダメよ」

そう言うと、彼女は冷たい目で後ろの執事を見た。「お嬢様を外で遊ばせてきなさい。この月野里奈さんと話があるから」

咲良は唇を噛み、上田おばあさんが月野里奈に良いことを言うはずがないと悟った。

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