第124章

翌日、YORAグループ社長室。

穏やかな陽光が床まで届く窓から差し込み、無垢材の床に細長い光の影を落としていた。葉原遥子はデスクに向かい、手にした万年筆を書類の上で素早く滑らせ、娟秀な文字を書き連ねていく。

近頃、YORAグループの知名度はますます高まり、傘下商品の売上高も氷川グループの数倍にまで膨れ上がっていた。海外からの提携プロジェクトも少なからず舞い込んでいる。S国の科学技術省からは、次世代フィンテックプラットフォームの共同開発を打診する声がかかった。

書類に並ぶ難解な専門用語を眺め、葉原遥子は思わず疲れたように眉間を揉んだ。このプロジェクトは、彼女にとって少々荷が重い。

テク...

ログインして続きを読む