第72章

「『ろくでもない連中』とはどういう意味だ?」平沢逸は片眉を吊り上げ、怒りをにじませた声で言った。「葉山奥さん、あなたも我々三家の顔に泥を塗りすぎじゃないですか?」

高橋空の口元が嘲るような弧を描く。彼は手元のライターを気だるげに弄びながら、切れ長の目をわずかに細め、冷ややかに朝倉蓮を一瞥した。

その視線に、朝倉蓮はびくりと震え上がり、息を殺した。

「葉山さんがお灸を据え終わったようですし、では私が皆さんに代わって、こいつを刑務所に送って差し上げましょう」高橋空の口調は平坦だったが、その眼底に宿る獰猛さは人を震え上がらせるものだった。

彼が言い終わると、背後に控えていた黒服の男たちが数...

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