第75章

夕方、葉原遥子は森田グループから退勤した。

インターンの仕事は雑務が多く、普段触れることのできる有用な情報も少ない。葉原遥子は午後いっぱいを退屈に過ごし、これならYORAグループで頭を使う仕事をしている方がまだ面白いとさえ思った。

もっとも、葉原遥子のチームリーダーである彩音姉はなかなかいい人で、辛抱強く接してくれ、あれこれと仕事を言いつけることもあまりなかった。

そのため、松本彩が迎えに来た時、彼女の気分はまあまあ愉快なものだった。

「家に帰る? それともどこか行く?」松本彩が笑いながら尋ねた。

「YORAグループに寄って。用事があるの」葉原遥子は口の端を上げた。

ほどなくして...

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