第5章
乙川純は、私の話を静かに聞き終えると、その瞳に今まで見たことのないような、凍てつくような光を宿した。
彼は有無を言わさず、地面に転がっていた木村青の襟首を鷲掴みにし、洞窟の外へと引きずり始めた。
「……何をするんですか」
私は後を追いながら尋ねた。
「罠の餌が切れた。こいつで代用する」
乙川の声は、この島の冬の海風よりも冷え切っていた。
私は慌てて彼の腕に掴みかかった。
「待ってください! ここはまだ、法治国家です」
そして、恐怖に顔を引きつらせる木村に向き直り、冷たく言い放つ。
「法律は、あんたみたいなクズを決して見逃さない。日本の警察が、あんたに相応しい罰を...
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チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章

5. 第5章

6. 第6章

7. 第7章

8. 第8章

9. 第9章

10. 第10章

11. 第11章

12. 番外編1

13. 番外編2


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