第6章
あの洞窟を後にして、私たちはまず、新たな野営地を探し出す必要があった。
私は島の地形を注意深く観察し、最終的に風を避けられ、なおかつ真水の水源に近い小高い丘を選んだ。
「ここなら、簡易的なシェルターを作るのに最適です。背後の丘が天然の風除けになるし、すぐそこには真水が流れる小川もある」
私は周囲の環境を指し示しながら、二人に見解を述べる。
「それに、この辺りは竹が密集している。建材には困りません」
乙川は静かに頷くと、ためらうことなく高級そうなシャツの袖をまくり上げた。
「では、竹を調達してきます」
「僕も行きます!」
田中が、すぐさまその後に続いた。
「一人より...
ログインして続きを読む

チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章

5. 第5章

6. 第6章

7. 第7章

8. 第8章

9. 第9章

10. 第10章

11. 第11章

12. 番外編1

13. 番外編2


縮小

拡大