第10章 反撃

スマートフォンに映る写真を見つめる藤原炎一の顔は、暗い影に覆われていた。

「誰が許可した?」

田中努は頭を下げながら「お母様が社長のご承諾を得たとおっしゃって、広報部は確認を取れませんでした…」

言葉が終わらないうちに、藤原炎一は怒りに任せて机の上の置物を払い落とした。大きな音に、田中は思わず一歩後ずさった。

「すぐにトレンドを削除させろ。広報部は社内規定に重大な違反をした。全員クビだ!」

藤原炎一の低い声には、拒否を許さない鋭い威圧感が漂っていた。田中は頷いて急いで部屋を出た。

しかし、すぐに戻ってきた田中の表情は焦りに満ちていた。

「藤原社長、イーグルエンタテインメントの土...

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