第13章 対峙

鈴木直美の姿を目にした瞬間、藤原炎一の眼に驚きの色が走った。

こんな鈴木直美は見たことがない。自信に満ち溢れた笑顔は、まるで…別人のようだった。

「直美…」

彼が呟いた時、鈴木隆史が前に出て、鈴木直美の前に立った。その表情は凛として、威厳に満ちていた。

「ようやくお目にかかれましたね、藤原社長」

藤原炎一はようやく鈴木隆史の存在に気付いた。背が高く、端正な顔立ちの彼は、鈴木直美と並ぶと実に様になっていた。

鈴木隆史の目には、よそよそしさと危険な色が宿っていた。藤原炎一の胸に、どこか居心地の悪い感覚が広がった。

「鈴木社長」

二人は軽く目を合わせ、挨拶を交わした。橋本優子は鈴木...

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