第17章 副社長に昇進

鈴木直美は車に乗り込み、モニターに流れている映像を見て、思わず声を出して笑った。

「隆史兄ちゃん、さすがですね」

ヒルトンのような高級ホテルには当然監視カメラが至る所に設置されている。この映像を素早く見つけ出して広告枠に流すなんて、鈴木隆史にとっては朝飯前のことだった。

後部座席に優雅に座った鈴木隆史は、直美を一瞥して言った。

「この三年間、こんな暮らしを強いられたのは、あの女のせいか?」

最初から気になっていた。その女は直美に対して明らかな敵意を持っていた。もし直美がこの三年間、彼女のせいで落ちぶれた生活を送っていたのなら、絶対に許すわけにはいかない。

直美は隆史の思いを察し、...

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