第18章 ちょっと洒落る

鈴木直美は鈴木グループ内で自分のことが話題になっているとは全く知らず、家で鈴木隆史に懇願していた。

「ゆきちゃんと一緒に行かせてよ。金融専攻だったし、きっと大丈夫だよ!」

鈴木隆史は呆れたように鈴木直美を見つめ、傍らの深江ゆきは黙って立ったまま、申し訳なさそうに微笑んでいた。

「深江おじさんも彼女を鍛えたがってるし、どこで学ぶにしても同じでしょ。私と一緒なら二人で励まし合えるし、ねぇ、いいでしょ~」

珍しく甘える鈴木直美に、鈴木隆史はため息をつきながら、「お前たち二人が一緒になって、まともな仕事ができるのか?」

二人が一緒にいると買い物か、ドラマ鑑賞か小説を読むかで、のんびり過ごす...

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