第19章 圧倒

鈴木直美が去った後、深江ゆきは俯いて、これからは鈴木隆史に会える機会が増えると思うと、思わずクスッと笑みがこぼれた。

そんな幸せな気分に浸っていた時、突然頭上に影が落ちた。顔を上げると、大柄なヤンキーが下卑た笑みを浮かべて立っていた。

「お嬢ちゃん、一人?お兄さんと一杯どう?」

深江ゆきは笑顔を消し、冷たい表情で「結構です。友達がすぐ戻ってきますから」

はっきりと断ったものの、ヤンキーは立ち去るどころか、彼女の隣に座り込んだ。

「それなら丁度いいじゃん。一緒に仲良くなろうぜ」

深江ゆきはバッと立ち上がり、怒りを露わに「何するんですか!」

「友達になりたいだけじゃん。なんでそんな...

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