第23章 鈴木副社長

村田蒼は焦りのあまり口が滑り、藤原炎一は動きを止め、顔を上げて低い声で言った。

「今、何て言った?」

村田蒼は鈴木直美への怒りに我を忘れ、藤原炎一の様子の変化に気付かないまま憤然と言い返した。

「この前のネックレスの件以来、千子はみんなに笑われてて、毎日泣いてるんですよ。私だって彼女のために怒ってるんです。鈴木直美のようなあばずれは、昔みたいに大人しく文句を言われてりゃいいんですよ!」

「昔?」藤原炎一は眉間にしわを寄せ、顔色が暗くなった。

つまり、こういう中傷は一度や二度ではなかったということか。この三年間、鈴木直美は一体どれほどのつらい目に遭っていたんだ?

村田蒼はようやく気...

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