第3章 暴く

橋本優子は包帯を隠しきれず、鈴木直美に引き剥がされてしまった。

包帯の下には血まみれの傷跡などなく、橋本優子の脚には擦り傷の赤い痕が一つあるだけだった。

藤原炎一はその場に立ち尽くし、表情が暗くなっていった。

鈴木直美は案の定という表情を浮かべ、嘲笑うように言った。「橋本さんの怪我、本当に深刻ですねぇ。皮膚も破れてないのに大出血って。もう少し遅かったら、この赤い跡も消えちゃってたかもね!」

彼女の言葉には皮肉が込められており、藤原炎一の表情はさらに険しくなり、冷たい目つきで橋本優子を見つめた。

藤原炎一の視線に気付いた橋本優子は、明らかに動揺し始めた。「炎一、違うの。私...前回の...

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