第30章 交鋒

村田の情けない姿を目の前で見られて、鈴木直美の気分は最高だった。

やはり、こうして仕返しができるのは心身の健康にいいものだ。

鈴木直美は口元を歪めて、隣の深江ゆきの方を向いた。

「ちゃんと撮れた?」

深江ゆきはOKサインを作って、「バッチリ高画質!」

その時になってやっと、土下座して謝っている場面を撮られていたことに気づいた村田は立ち上がり、顔が豚レバーのように真っ赤になった。

「鈴木直美!よくも撮影なんかしやがったな!」

その怒りに対して、鈴木直美は動じることなく、スマホを軽く振りながら、「保険よ。安心して、問題起こさない限り、誰にも言わないわ。でも、また手を出したら、この動...

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