第31章 私は潔癖症です

鈴木直美は目覚まし時計の音で起こされた。

昨夜遅くまで遊びすぎて、今は疲れ果てていた。もう少しベッドでごろごろしていたいと思った矢先、誰かがドアをノックする音が聞こえてきた。

鈴木直美は布団を頭からかぶり、イライラと鼻を鳴らした。藤原家にいないのに、どうして早起きしなきゃいけないの!

「もう起きないと、会社に遅刻するぞ!」

ドアの外から鈴木隆史の声が響き、鈴木直美はハッと起き上がり、一気に目が覚めた。

そうだ、今の自分は会社の副社長なんだ、いつも遅刻するわけにはいかない!

両手で自分の頰を軽く叩いて、「今行く!」と言った。

しばらくして、鈴木直美は洗顔と着替えを済ませ、ダイニン...

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