第34章 酒に薬を入れた

誰にも邪魔されないこの状況に、美作社長の笑みはより一層卑猥なものとなり、いきなり鈴木直美の隣に座り込み、その手に触れようとした。

鈴木直美は手を上げ、美作社長の接触を巧みにかわすと、皮肉めいた微笑みを浮かべた。「美作社長、この契約書をもう一度ご確認になりませんか?」

「鈴木副社長のような美人が相手をしてくれるなら、契約書なんてどうでもいいですよ!」

美作社長は契約書を脇へ押しやると、ポケットから車のキーを取り出し、鈴木直美の前に置いた。

「三十パーセントも鈴木グループに渡して、私たちに何の得があるんですか?鈴木副社長は賢い方だ。鈴木グループのあの鈴木社長は女性に興味がない。彼からは何...

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