第36章 一つの教訓

木村雪乃の顔色が一変した。

まさか、かなり隠密に行動したはずなのに、どうして証拠が残っているというのだろう!

彼女の表情に緊張の色が浮かぶのを見て、鈴木直美はまた大笑いした。

「嘘よ。こいつのスマホには女の写真ばかりで、役に立つものなんて何一つなかったわ。あなた、本当にツイてるわね!」

美作社長は肥満体ではあったが、一発で倒れた。木村雪乃は念のため、二人の酒には両方とも薬を入れていた。鈴木直美は一口も飲まず、いとも簡単に美作社長のスマホのロックを解除した。

鈴木直美は狐のように笑っていたが、木村雪乃は全身が冷えるような感覚に襲われた。

「わ、私、何のことだか分かりません!」

彼...

ログインして続きを読む