第49章 直接捨てる

目覚まし時計が鳴り、一夜明けた。

鈴木直美は昨夜、自分のアパートに戻ることを強く希望していた。目覚めた時にあんなに多くの使用人を見なくて済むのは、本当に気楽だった。

スマホを開いてみると、昨夜のパーティーで撮られた写真が一気に拡散され、鈴木直美と藤原炎一の二人がトレンド入りしていた。

「名家夫婦、復縁の兆し?」

添えられた写真は二人のダンス後のキスの瞬間。絶妙なタイミングで撮影されており、照明の背景まで芸術的に処理されていた。

鈴木直美は鼻で冷ややかに笑うと、気にも留めずページを閉じ、メールボックスを開いた。

田中誠は早朝から今日の重要な日程をメールで送ってきていた。鈴木直美はさ...

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