第50章 後ろ盾

木村雪乃は心の中で彼女を憎んでいたが、彼女が自分の弱みを握っていることを気にして、あからさまに敵対することはできなかった。

「私はチームを率いた経験は人に引けを取りませんし、上層部の中でも実績は一、二を争うほどです。鈴木副社長、まさか前回のことでまだ怒っているんじゃないでしょうね?」

木村雪乃は明らかに不満げだった。

鈴木直美は目を伏せて微笑んだ。「そんなことはありませんよ。ただ、この前木村部長は大立グループとの提携を軽視していましたよね。あなたの態度が協力の方向性に影響するので……」

「もちろん会社の決定には従います」木村雪乃は急いで言明した。

鈴木直美は遠回しに笑みを浮かべた。...

ログインして続きを読む