第七十二章

「いい加減にしろ! 黙って飯も食えないのか!」

綾瀬高遠は箸を叩きつけるように置き、ついに我慢の限界に達した。

雪村莹の怒りも頂点に達していた。

「綾瀬高遠! 私に向かってテーブルを叩く度胸がついたってわけ? 姪っ子のために、妻と娘を捨てる気!?」

彼女が引かないのを見て、綾瀬高遠も思わず怒鳴り返す。

「お前が理不尽すぎるからだろう! 空への処罰は上司が決めたことだ、茉莉には関係ない……」

「綾瀬高遠……ッ」

二人は激しく罵り合った。

綾瀬茉莉はこの茶番劇を見て、食欲など完全に失せていた。一方、綾瀬空は対岸の火事とばかりに、面白がって火に油を注いでいる。

ようや...

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