第11章
「風間明だ」と彼は簡潔に言った。
「そして、もう一つはっきりさせておきたいことがある」
聴衆は身を乗り出した。
「綾瀬楓と俺は、十年前の夏のキャンプで出会った。八歳の時だ。友達になり、親友になり、そして……それ以上の関係になった」
彼は私の手を強く握った。
「サッカー協会への違反は一切ない。俺の華浜大学への入学は、綾瀬家とは何の関係もないからだ。俺がここに来たのは、この大学がクォーターバックとして、そして一人の人間として、俺が成長できる最高の機会を与えてくれたからだ」
彼はスポーツ新聞のカメラをまっすぐに見据えた。
「プロサッカーの将来についてだが、俺が愛する人、日々俺を...
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チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
5. 第5章
6. 第6章

7. 第7章

8. 第8章

9. 第9章

10. 第10章

11. 第11章

12. 第12章


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