第043章 私たちはお互いに清算する

「藤原香、四十五歳、無職、今手術を受けたあの子はあなたの実子ではなく、継子です」

「あなたはその継子を一度も可愛がったことがなく、何度も『早く死ねばいい』と口にしていたそうですね。今回の交通事故もあなたと無関係とは言えないようです」

「事故で死ななかったから、開頭手術を受けさせて手術台で死なせようとした。そうすれば嫌いな継子を消せるだけでなく、病院から慰謝料も巻き上げられる。そういうことですよね?」

この言葉に、周囲の人々は皆、信じられないという表情を浮かべた。

こんな悪辣な人間が本当にいるのか?

たとえ実の子でなくても、死んで欲しいとまで思うものだろうか?

皆が自...

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