第111章

藤堂光瑠は顔を洗い、出てきた。

林城遠はすぐにその異変に気づいた。「どうしたんだ? 顔色が悪いぞ」

藤堂光瑠は複雑な表情で彼を数秒見つめ、落ち着いた声で言った。

「なんでもないわ。風邪気味で、体調が良くないだけ」

林城遠はひどく心配した。

「医者には診てもらったのか? 最近インフルエンザが流行ってるんだ。具合が悪いならすぐに病院で血液検査をして、病気を特定して早く薬を飲まないと」

「昨日もう診てもらったから。大したことないわ」

藤堂光瑠は林城遠に座るよう促し、話題を南朔泉へと変えた。

「最近、溯泉ちゃんの消息はあった?」

「まだだ」

「じゃあ、彼女のマネージャー...

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