第153章

圭人は必死に涙を堪えようとした。

兄の前では強くあらねば。泣き虫だと思われたくない!

「ぼ、僕も、君たちと兄弟になれて、家族の一員になれて嬉しい!」

圭人が目を赤くすると、太郎は心を温めるように再び彼を抱きしめ、慰めた。

「これまでお前を一人で外に放り出してしまって、申し訳ない。でも、ママのことは信じてあげてほしい。絶対にママを恨まないで。ママは本当にお前の存在を知らなかったんだ。そうでなければ、絶対にお前を放っておいたりしない。命を懸けてでも、そばで守ってくれたはずだ。

僕たちのバカママはさ、あまり賢くなくて、しょっちゅうマヌケなことをするけど、本当にいいママなんだ!

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