第180章

今度の薄井宴は素直に、ベッドの脇に身を伏せ、ゴミ箱に向かって嘔吐した。

 藤堂光瑠は片手で彼を支え、もう片方の手で布団越しに彼の背中を叩いてやる。

 ただ、二人してしばらく頑張ってみたものの、薄井宴は少しの黄水しか吐き出せなかった。

 胃の中身は先ほどトイレで吐き尽くしており、今は空嘔吐に近い。無理やり吐き出したものは、胆汁だった。

 藤堂光瑠は眉をひそめる。胆汁まで吐き出すなんて、どれだけ苦しいのだろうか。

 彼女の口調は、無意識のうちに幾分か優しくなっていた。

「吐くものがないなら、もう無理に吐かなくていいから。口をゆすいで」

 彼女はベッドサイドテーブルの上のお茶を差し出...

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