第205章

カードにはこう書かれていた。

『山を越え、川を渡り、巡りゆく万物を見てきたが、今や山は君であり、川もまた君である。――光瑠へ』

 事情が分かる者が見れば、それが非常に趣のある愛の言葉であることは一目瞭然だった。

 もし薄井宴が、彼女がずっと探し続けていた女性だと確信しているなら、猛烈なアプローチを仕掛けてくるかもしれない。しかし、彼には確信がない。だから、彼女にこんなことはしないだろう。

 ケーキを贈ったのは彼じゃない!

 子供たちでもない!

 では、一体誰……?

 夏川甘が興味津々に尋ねる。

「瑠ちゃん、あなたのファンが贈ってきたみたいだけど、最近誰かに言い寄られてるの?」...

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