第211章

 その頃、清水喬月は自宅で荒れ狂っていた。

 部屋中の壊せる物を全て叩き壊し、床にへたり込んで鬼のように泣き喚いている。

 その声で目を覚ました中村曇子が、上着を羽織ってやって来ると、部屋の惨状を見て顔色を変えた。

「月ちゃん、どうしたの?!」

「ママ! うわあああん……」

 清水喬月は中村曇子の胸に飛び込み、鼻水と涙でぐしょぐしょになりながら泣きじゃくった。「宴があのクズと同棲してる! 宴はもうあたしのことなんていらないのよ! ううっ……」

 中村曇子は驚愕した。「今日、宴に会いに行ったの?!」

「うん! あたし、この目で見たのよ! 藤堂光瑠、あのクズが宴の車から降りてくると...

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