第226章

黒服の男は、呆然とする薄井宴を見て「へへっ」と二声笑うと、突如としてホテルの中へと姿を消した。

 周防影は素早く反応し、すぐに後を追おうとしたが、薄井宴が不意に口を開いた。

「行かせろ!」

 周防影は慌てて足を止め、薄井宴を振り返った。

 周が焦ったように尋ねる。

「宴のアニキ、もう追わないんですか?」

 薄井宴は眉をきつく寄せ、黒服の男たちが去っていった方向を険しい顔つきで見つめると、踵を返して車に乗り込んだ。

 周防影と周も車に戻り、一人は運転席へ、もう一人は助手席へと腰を下ろす。

 おしゃべりな周は、我慢できずに尋ねた。

「どうしたんですか、宴のアニキ? なんであいつ...

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