第242章

薄井宴は答えず、逆に問い返した。「そいつが誰か知っているのか?」

「知りません!」

 藤堂光瑠は、謎の男が一体誰なのか、確かに知らなかった。ただ、あの男がまともではなく、ずっと自分に殺人を唆していることだけは分かっていた。

 自分が彼を殺すことなどあり得ない。たとえ全ての秘密が暴かれたとしても、人を殺したりはしない!

 子供たちに、人殺しの母親を持たせるわけには絶対にいかないのだ!

 しかし、万が一、謎の男がまた他の誰かを動かしたら?

 彼のことは好きではないけれど、彼は紛れもなく子供たちの父親だ。彼に何かあってほしいとは思わない。

 それに、もし彼に本当に何かあったら、圭人は...

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