第1章:彼氏の恋人
セーブル視点
私はダレルに跨り、激しく腰を振った。動きに合わせて胸が大きく揺れる。両手を彼の胸について支えにし、波打つ髪が乱れて肩にかかった。彼の剛直が私を完全に満たし、深く突き上げられるたびに中を押し広げていく。
「くっ、セーブル……」彼は呻いたが、その声にはどこか距離を感じた。
彼の手が私の尻を掴み、腰の動きを誘導するように力を込める。濡れた秘所に出入りする彼の感触を一寸残らず感じていたが、彼の視線は私から逃げ続けていた。
「私を見て」私は彼の顔を乱暴に挟み込み、そう命じた。
彼の視線が弾かれたように戻ってくる。「たまらなく綺麗だ」
その言葉で欲望に濡れるはずだったのに、なぜか空虚に響いた。私はその思考を振り払い、彼の太い楔の上でさらに激しく跳ねた。腰を落とすたびにクリトリスが彼の骨盤に擦れ、火花のような快感が芯を走る。
突然彼が体を反転させ、私は息を呑んだ。手首を頭上で押さえつけられ、縫い止められる。彼の体重が私をマットレスに沈め、新たな力強さで突き入れてきた。私は彼の腰に脚を絡め、踵を背中に食い込ませた。
「もっと強く……」私は腰を浮かせ、彼をより深く受け入れながら喘いだ。
彼はそれに応え、目の前が霞むほどの絶妙な一点を突き上げた。私のナカは貪欲に彼を締め付け、さらなる摩擦を求めた。
「ダレル……私、もう……」荒い息と共に切れ切れの言葉が漏れる。
「ああ……俺もだ」彼の突きは不規則になったが、その動きにはどこか機械的な冷たさがあった。
下腹部に圧力が集まり、足の指がシーツを掴んで丸まるほどの馴染み深い締め付けが襲う。激しく打ち付けられるたび、尖った乳首が彼の胸に擦れる。絶頂の縁で揺れながら、私は何年も繰り返してきた言葉を囁いた。
「印(しるし)をつけて……お願い、今すぐ私に印を……」
彼は突き入れたまま、動きを止めた。その躊躇いはほんの数秒だったが、まるで冷水を浴びせられたかのように感じた。
「セーブル、この話はしただろう……まずはちゃんとした儀式を挙げたいんだ」
体は解放を叫んでいるのに、失望が押し寄せた。「でも、完全にあなたのものになりたいの……」
「君は俺のものだよ……ただ、特別なことを計画させてくれ、な?」
『本当に完璧なマーキングの儀式を考えてくれているのかもしれない……』私はそう自分に言い聞かせ、膨らむ疑念よりも希望を選んだ。
彼が腰の動きを再開し、私たちは共に絶頂を迎えた。彼が中に注ぎ込むと、私のナカは痙攣して彼を締め付ける。熱い吐精が満たしていく。快感の波に襲われ、背中がベッドから浮き上がった。
その後、私は彼の胸に身を寄せ、彼は上の空で私の髪を撫でていた。指は髪を梳いているが、その目はまるで複雑な方程式でも解いているかのように天井を見つめている。
「何を考えてるの?」私は彼の肌に指で円を描いた。
「大したことじゃない……仕事のことさ」彼の声は硬かった。
「働きすぎよ。そろそろ休暇でも取ったら?」
「ああ……そうだな」
会話はそこで途切れた。なぜ最近そんなに心ここにあらずなのか、問い詰めたかったが、疲労が私を深みへと引きずり込んでいく。代わりに、私はどうして私たちがこうなったのか、過去の記憶に身を委ねることにした。
三年前、私はまだセーブル・クローフォードだった。クローフォード・パックのアルファ、ロドリゴの娘として。父は私に、ライカン王カエラン・ブラックウッドとの政略結婚を受け入れるよう迫った。私は政治の道具になることを拒み、父と激しく争った末に逃げ出した。そして、孤児だと偽って新しい身分を作り、ムーンリッジへとやってきたのだ。そこで私はダレルに出会った――ホーソーン・パックのアルファである彼に。
私たちはすぐに、互いが「運命の番」であることに気づいた。この三年間、私は幸せな結末を手に入れたと思っていた。確かに彼はいつも、私にマーキングするのは完璧な瞬間が来るまで待ちたいと言っていたけれど、私はそれを、彼なりのロマンチックなこだわりだと信じていたのだ。
ダレルがシャワーを浴びに行っている間、私は夜食を用意して彼を驚かせようと思った。彼のぶかぶかのボタンダウンシャツを羽織り、足音を忍ばせて階下のキッチンへ向かう。彼のためにサンドイッチを作り、ミルクを温める。そんな家庭的な行為が、心地よく正しいことのように感じられた。
トレイを持って二階に戻り、デスクに置こうと身を乗り出したとき、肘が誤ってノートパソコンのトラックパッドに当たってしまった。画面が明るくなり、隅にチャットウィンドウがポップアップした。「カミラ」という名前からのメッセージが画面を埋め尽くしている。心臓が止まった。指先の感覚が一瞬で消え、トレイが手から滑り落ちる。デスクの上に、鈍い音が響いた。
『ダレル、帰ってきたわ。明日の午前2時半、ムーンリッジ空港に着くの。迎えに来てくれる?』
『離れてから毎日、あなたのことを考えてた。あなたよりもキャリアを選んだ私は、本当に馬鹿だった』
『他の男とも付き合ってみたけど、誰もあなたみたいに私を感じさせてくれなかった……あらゆる意味で』
『あなたを傷つけたのは分かってる。でも、私の体は一度もあなたを忘れたことなんてない。許してほしいの……そして、昔みたいに私を激しく抱いて』
『今、このドレスの下には何も着けてないの。二人きりになった瞬間、私を奪ってほしい』
メッセージの一つひとつが、まるで物理的な打撃のように私を打ちのめした。だが、私を完全に破壊したのは、リアルタイムで表示されたダレルからの返信だった。彼はシャワーを浴びながら返信していたのだ。
『カミラ、これだけは聞かせてくれ――まだ僕を愛しているか?』
その対比は、氷水を浴びせられたような衝撃だった。彼はよく私のメールを何時間も無視し、忙しかったとか忘れていたと言い訳していたのに。ここでは、裸の体に湯を浴びながら、彼女には即座に返信している。
忙しくて返信できないわけじゃない。私が、即レスするほど重要な存在じゃないだけなんだ。
彼女の返事は数秒で届いた。『ええ、愛しているのはあなただけよ』
そして、彼の最後のメッセージ。『よかった。迎えに行くよ』
世界が傾いた気がした。私は急いでチャットウィンドウを最小化し、震える手でノートパソコンから後ずさりした。
胸が押しつぶされそうだ。呼吸をするたびに痛みが走る。心臓の鼓動一つひとつが、私の中の何かを引き裂いていくようだった。
私はよろめきながら階下のキッチンへと戻った。彼のために用意したサンドイッチとミルクの載ったトレイを、まだ握りしめたまま。カウンターにそれを置き、心を込めて作った食事を見つめる。それは今や、あまりに無邪気で、哀れなものに見えた。
私はそれを手に取り、一口かじった。そしてもう一口。私は無理やり最後の一欠片まで食べ、彼のために温めたミルクを一滴残らず飲み干した。
涙が頬を伝い落ち、舌の上で甘さと塩辛さが混じり合う。飲み込むたびに砕けたガラスを飲んでいるような痛みが走ったが、すべてがなくなるまで私は止めなかった。
私って、どうしてこんなに救いようのない馬鹿だったんだろう? あぁ、神様。あの彼女の書き方――まるで彼を所有しているかのような、私がただ彼女が戻ってくる気配を見せるまでベッドを温めていただけの存在であるかのような言い草だった。
