第115章:私に嘘をつく

彼は画面を私に向けた。そこには掲示板の投稿のようなものが映し出されている。タイトルには『目撃情報:アルファが謎の美女と密会?』とあった。

写真は鮮明だった。ある建物の入り口に向かって歩くカエランの姿。そしてその場所は、間違いなくブレアの治療センターだ。

私はその写真を凝視した。写っているのがカエランであることは、どう見ても否定しようがなかった。

「彼なら少なくとも君には真実を話すと思っていたんだけどな」ダレルは大げさにため息をついた。「まさか、君にまで隠し事をしているとはね」

「セーブル、本当に君を愛している男が、義理の妹に会いに行くことを嘘つくと思うかい? それとも……」彼は意味深な...

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