第116章:裸の体

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ドアを叩く音がして、私はハッとした。のぞき穴から外を窺うと、廊下にダレルが立っていた。

私はドアに背中を押し付け、息を潜めた。

「セーブル、中にいるのは分かっているよ」彼の声は優しく、心配そうだった。「朝食を持ってきたんだ。何か食べたほうがいい」

私は沈黙を守ったまま、彼が立ち去るのを願った。

「会いたくないなら、それでもいい。気持ちは分かるから」間があり、衣擦れの音が聞こえた。「食事はドアの横に置いておくよ。ちゃんと自分の体を大事にしてくれよ」

また少し間が空いた。

「それと、セーブル……もし何か必要なものがあれば、ど...

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