第123話アタック・ミー

鉄扉をくぐった瞬間、気温が急激に下がった。狭い石段が闇へと続いており、揺らめく松明だけが頼りだった。その灯りが、湿った壁に踊るような影を落としている。

空気はカビと、胃が裏返りそうになるような金属的な臭いが混じっていた。

「普段、ここにはどんな囚人を閉じ込めているのですか?」

私の声が石壁に反響した。

「裏切り者。犯罪者。群れの安全を脅かす者すべてだ」

カエランの答えは淡々としていたが、私の背筋には悪寒が走った。

私たちは空の独房をいくつも通り過ぎた。鉄格子は歳月を経て錆びついている。狭い廊下に足音だけが虚しく響き、私はカエランの肩に触れるほどの距離を保って歩いた。

廊下の突き当...

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