第155章:男性売春婦

セーブル視点

昼間は仕事で感覚を麻痺させ、忙しい手術室に身を置くことで自分を忘れることができる。けれど夜になると、彼を恋しく思う気持ちが津波のように押し寄せてくるのだ。

私はただ、機械的に生きている気がする――呼吸をし、働き、すべてが順調であるかのように装いながら。

静寂が訪れると、彼の声、彼の笑顔、その腕の温もりが一気に蘇り、私の心をまたしても粉々に引き裂いていく。

だからスカーレットから飲みの誘いがあったとき、私は二つ返事で承諾した。

スカーレットに引っ張られて『ネオン・ナイツ』の扉をくぐった瞬間、激しい電子音が壁のように私たちに迫ってきた。暗闇を切り裂くようにレーザー光...

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