第200話終わりのない涙

セイブル視点

一晩中、泣き明かした。

顔の下にある枕は涙でぐしょ濡れになっていたが、止めることができなかった。

夜明け前のいつ頃か、泣き疲れて眠ってしまったのだろう。腫れ上がった目を開けると、淡い朝の光がカーテンの隙間から差し込んでいた。

真っ先に目に入ったのは、ナイトスタンドに置かれた朝食のトレイだった。

白い磁器の上に完璧に盛り付けられたフレンチトースト。皿の縁には、芸術的に散りばめられた新鮮なブルーベリー。カリカリのベーコンと、私好みの黄身がとろりとした目玉焼き。屋敷の裏にある果樹園から採れたばかりであろう、濃厚でフレッシュなオレンジジュース。そして、表面に薄い膜が張った温かい...

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