第201章:完了しました

聖なる儀式の間(ま)は、まるで別世界に足を踏み入れたような感覚だった。周囲には古代の石壁がそびえ立ち、そこには有史以前のシンボルが刻まれている。中央には三日月形の黒曜石の祭壇が鎮座し、その表面は鏡のように磨き上げられていた。頭上のドーム型の天井には夜空が描かれ、その頂点には満月のレリーフが施されている。

カエランは装飾の施された木製のキャビネットに向かい、儀式の道具を取り出した。三日月形の銀の短剣と、聖水で満たされたクリスタルの小瓶だ。

私たちは祭壇を挟んで向かい合った。互いの距離は1メートルにも満たなかったが、二人の間には深い深淵が横たわっているように感じられた。

彼は古代ラテン語の呪...

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