第202章:反対方向

デイジーが角から完全に姿を現した。その小さな顔には困惑の色が浮かんでいる。「お姉ちゃん? どうしたの?」

私は膝をつき、彼女を腕の中に抱き寄せた。

「何でもないわ、いい子ね。ちょっと大人の話をしてただけよ」

だが、デイジーは私たちが思っているよりも鋭かった。彼女は私の顔をじっと見つめる。

「悲しんでる。カエランが悲しませたの?」

「大人にはね、難しい選択をしなければならない時があるのよ、デイジー」

ロドリゴはまだ状況を飲み込めず、情報を受け入れるのに苦労していた。「セーブル、私はカエランを十二歳の頃から知っているんだ。彼が成長する姿を見てきた。彼はお前の母さんを愛していたし――」

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