第204話君を探してあげる

俺は両の拳で、自分の胸を激しく叩き始めた。一度、二度、三度……ロドリゴが割って入り、俺の手首を掴むまでそれは続いた。

「カエラン、やめろ! そんなことをしても何にもならないぞ!」

足の力が完全に抜け、俺は玄関前の階段に崩れ落ちた。冷たい石段にどさりと腰を落とす。

両手で頭を抱え込むと、肩が震えだした。

押し殺したような呻き声が、胸の奥底から漏れ出る。

ロドリゴが隣に腰を下ろした。「カエラン、彼女は決めたんだ」

「手紙にははっきりと書いてあるだろう。探さないでほしいと。彼女には一人で傷を癒やす時間が必要なんだ」

「男なら、彼女の選択を尊重してやるべきだ」

俺は弾かれたように顔を上...

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