第205章:ケーリン

セーブル視点

七年後

「セーブル、私たちのお姫様を連れて帰ってきたよ!」ケイトが満面の笑みで声を上げた。

玄関のチャイムが鳴り、ドアが開く。ケイトが中に入ってくると、その背後で小さな影が興奮した様子で飛び跳ねていた。

ケーリンが勢いよく飛び込んできた。背負ったピンクのリュックサックが肩で揺れている。先週末に一緒に選んだ、小さなヒナギク柄の黄色いサンドレスを着て、栗色の巻き毛は今朝私が結った三つ編みのまま綺麗に整っていた。

待合室でヘンダーソンさんの血圧を測っていた私を見つけると、ケーリンの顔がぱっと輝いた。「ママ! 今日、金色の星をもらったの!」

私は微笑んで、唇に人差し指...

ログインして続きを読む